思い出の場所
私はオリンピックスタジアムで数々の嬉しい思い出、悲しい思い出を経験してきました。私は小学校から大学まで野球をしていました。硬式ではなく軟式野球です。硬式に比べて軟式野球はあまり注目されるスポーツではありません。しかし、軟式でしかできない戦術や技があります。その戦術や技に磨きをかけて様々なプレーをしてきました。私が行っていた大学の軟式野球部というのは夏の全国大会常連で何度も出場させていただいていました。しかし、頂点の座は遠く私が大学3年生の頃は準優勝に終わりました。その時監督に言われたのは、「2位という成績がどこの出場校よりも悔しい結果だ」と。後一歩のところで相手に及ばず目の前で優勝チームの表彰を見る。目の前で金のメダルをかけられる。これ程悔しい事はないと私も思っていました。来年こそはという思いでまた一年必死に練習していたのを覚えています。
そして迎えた大学最後の夏の大会。大会期間中は雨にも悩まされ、試合が延期になったりしていました。早く試合がしたいという思いと絶対優勝する今年こそは頂点を取るというギラギラした気持ちを落ち着かせ、試合まで待っていた事を思い出します。順調に勝ち進んでいき迎えた決勝。その前の準決勝で思うような試合運びができず、苦戦していましたし朝の雨で試合開始時間が延びて準決勝、決勝とダブルヘッダーで行うという異例かつ選手達には大きな負担での決勝でしたが、なんとか私たちの野球をすることができ、1年前の屈辱を晴らしました。「頂点に立った」「頂点の景色というのは最高だな」と思いながら初めてオリンピックスタジアムに来た時の事を思い出しました。初めて来た時、「大きいスタジアム〜」「こんな綺麗なとこで試合できるんや〜」「こんな綺麗なところで試合できるんやったら毎年来たいな〜」など呑気に思っていた私ですが、いつの間にかオリンピックスタジアムに来る目標が変わっていました。「見る所は優勝しかない」と。
沢山の経験と沢山の思い出を作ることができたオリンピックスタジアムにとても感謝の気持ちでいっぱいですし、何よりもここでプレーできた事を誇りに思います。野球は硬式だけが野球ではなく、軟式野球もあります。新たな面白みを感じれて、軟式でしかできない戦術や技が沢山あります。オリンピックスタジアムでプレーする機会が有れば、是非スタジアムを体で感じてください。